売上見込みの立て方|案件の段階と確度で今月・来月の見込みを出す方法
売上見込みは、いま動いている案件を段階ごとに分け、それぞれの金額に確度(決まりそうな度合い)を掛けて合計すると立てられます。勘で「今月はこのくらい」と考えるより、ずれの理由が分かりやすくなります。この記事では、その手順と、見込みと実績のずれを振り返る方法をまとめます。
売上見込みとは
売上見込みとは、いま動いている案件や続いている契約をもとに、これから先の売上がどのくらいになりそうかを予想した数字です。営業の現場では「ヨミ」と呼ばれることもあります。
売上目標が「これだけ売りたい」という数字なのに対して、売上見込みは「いまの状態ならこのくらいになりそう」という数字です。2つを比べると、目標に届きそうか、足りない分をどう埋めるかを早めに考えられます。
見込みを立てておくと、売上が足りない月が早めに分かります。足りないと分かれば、止まっている案件に連絡する、紹介をお願いする、といった手を月の途中で打てます。
案件の段階と確度を決める
まず、案件がいまどこまで進んでいるかを表す段階を決めます。そして段階ごとに、決まりそうな度合いを表す「確度」を割り当てます。次は一例で、割合は仮の数字です。業界で決まった割合があるわけではありません。
- 初回の相談:確度10%
- 提案・見積もり提出:確度30%
- 条件の調整中:確度50%
- 口頭での内諾:確度80%
- 受注(契約書や発注書がある):確度100%(見込みの計算からは外し、確定分として数える)
- 見送り:確度0%(見込みからは外し、記録は残す)
大切なのは、段階を進める条件をはっきりさせることです。「見積もりを送ったら提案の段階」「発注の意思をはっきり聞いたら内諾」のように決めておくと、その日の気分で確度が変わりにくくなります。確度の割合は、最初は仮の数字で始め、実績がたまったら自分の会社に合わせて見直します。確度は楽観的に付けがちなので、迷ったときは低いほうの段階に置いておくと、見込みが実績を大きく上回ることを防ぎやすくなります。
売上見込みの計算のしかた
案件ごとに「金額 × 確度」を出し、合計したものが見込みの数字になります(加重見込み・加重売上と呼ばれることもあります)。たとえば、ある月に次の案件があるとします(仮の数字です)。
- 案件A:50万円 × 確度80% = 40万円
- 案件B:30万円 × 確度30% = 9万円
- 案件C:20万円 × 確度10% = 2万円
この場合、案件からの見込みは合計51万円です。ここに、すでに受注している仕事や、毎月続く契約の売上を「確定分」として足します。確定分と見込み分を分けて書いておくと、どこまでが固い数字かがひと目で分かります。毎月続く契約の売上の見方は、「顧問契約・保守契約の更新管理」で解説しています。
なお、確度を掛けた数字は「ならすとこのくらい」という目安です。案件Aは、決まれば50万円、決まらなければ0円で、40万円になるわけではありません。件数が少ないうちは、確度の高い案件の一覧もあわせて見ます。
今月・来月に分けて売上見込みを立てる
見込みは、月ごとに分けると使いやすくなります。案件ごとに「いつ売上になりそうか」という予定の月を記録し、今月・来月・それ以降に分けて合計します。
- 今月:今月中に納品や請求ができそうな案件
- 来月:来月に決まりそう、または来月に納品できそうな案件
- それ以降:時期がまだはっきりしない案件
「受注する月」と「売上として数える月」、「入金される月」は、ずれることがあります。社内ではどの時点で数えるかをそろえておきましょう。会計上、どの時点で売上に計上するかは、税理士に確認してください。
見込みと実績のずれを振り返る
月が終わったら、月初に立てた見込みと、実際の売上を比べます。ずれがあったら、案件ごとに理由を確かめます。
- 時期のずれ:決まったが、翌月にずれた
- 金額のずれ:決まったが、金額が変わった
- 確度のずれ:高い確度を付けていたのに見送りになった、またはその逆
同じ理由のずれが続くなら、段階の決め方や確度の割合を見直す合図です。また、長く同じ段階で止まっている案件は、確度を下げるか、連絡を入れて状況を確かめます。すぐには決まらない相手との連絡の続け方は、「紹介された見込み客のフォローの仕方」も参考になります。
振り返りの結果は、案件ごとに1行のメモで残しておきます。「先方の決裁が月をまたいだ」「予算の都合で範囲を縮めた」など、理由がたまっていくと、次の見込みを立てるときの参考になります。
よくある質問
案件が少なくても、確度を掛ける意味はありますか?
件数が少ないと、確度を掛けた合計と実際の売上はずれやすくなります。それでも、案件を段階ごとに並べることで、どの案件に手をかけるべきかが見えやすくなります。合計の数字だけでなく、案件の一覧もあわせて見ましょう。
見込みは、どのくらいの頻度で見直せばよいですか?
月初に立てて、月末に振り返るのが基本です。案件が多い時期は、週に一度、段階が変わった案件だけを更新すると、手間をかけずに新しい状態を保てます。
月額の契約が中心の場合も、見込みを立てる必要はありますか?
月額の契約が中心なら、毎月の売上の多くは確定分になります。その場合は、解約の予定と、新しい契約の見込みを中心に追いかけるとよいでしょう。
まとめ
売上見込みは、案件を段階に分け、金額 × 確度を合計し、すでに決まっている確定分と分けて見ることで立てられます。今月・来月に分けて見込み、月末に実績と比べてずれの理由を振り返ると、確度の付け方が少しずつ自分の会社に合ってきます。案件の段階と売上の記録を1か所にまとめる方法は、ご縁ナビのページで紹介しています。