フリーランスの請求書・入金管理|請求の出し忘れと入金確認の漏れを防ぐ月ごとの手順
フリーランスの請求の出し忘れや入金確認の漏れは、「納品した案件」と「入金を確かめた請求」を同じ表で突き合わせることで防げます。確認する日を月末と月初に決めておくのがコツです。この記事では、請求ごとに記録したい項目と、月ごとの確認の手順をまとめます。
請求書の出し忘れと入金確認の漏れが起きる理由
請求の出し忘れが起きるのは、多くの場合、納品した時点で「一区切りついた」と感じてしまうからです。納品の直後に次の仕事に移ると、請求書の作成が後回しになります。
入金確認の漏れは、支払いの条件が案件ごとに違うことから起きます。月末締めの翌月末払い、納品のあとすぐ、着手時に半分など、条件の違う案件が並ぶと、頭の中だけでは追いきれません。
どちらも、気づくのが遅れるほど連絡しづらくなります。お客様との関係を守るためにも、早めに気づける仕組みを持っておきたいところです。
請求ごとに記録しておきたい項目
案件の表とは別に、「1請求=1行」の請求の表を作ると管理しやすくなります。着手金と残金のように、1つの案件で請求が2回以上ある場合でも、混乱しません。
- 請求先と案件名:どのお客様の、どの仕事の請求か
- 請求書の番号:問い合わせを受けたときに、すぐ照らし合わせられます
- 請求金額:税込・税別、消費税の額を分けて書きます
- 請求日:請求書を送った日
- 支払期日(入金予定日):取引条件で決めた日
- 入金日と入金額:実際に振り込まれた日と金額
- 状態:未請求・請求済・入金済
案件全体の記録の仕方は、「フリーランスの案件管理の方法」で解説しています。
「未請求・請求済・入金済」で状態を分ける
請求には、次の3つの状態を持たせます。
- 未請求:納品したが、まだ請求書を送っていない
- 請求済:請求書を送ったが、入金をまだ確かめていない
- 入金済:入金を確かめ、金額も合っている
状態を変えるのは、行動したその日にします。「請求済」のまま支払期日を過ぎたものが、確認が必要な請求です。表を支払期日の順に並べ替えれば、すぐに見つかります。
月末と月初に確認する手順
- 月末:今月納品した案件を拾う:案件の表から納品済みの行を拾い、請求の行がそろっているかを確かめます。
- 月末:未請求をなくす:締め日に合わせて請求書を作って送り、送った日を記録します。
- 月初:「請求済」を見直す:支払期日を過ぎたものがないか、通帳や入金の明細と1件ずつ照らし合わせます。
- 月初:入金を確かめたら「入金済」にする:金額が請求と合っているかも見ます。取引条件と違う金額が振り込まれたときは、メモに残し、お客様に確認します。
大事なのは、確認する日を先に決めてしまうことです。「時間があるときにやる」では、忙しい月ほど後回しになります。
支払期日と請求書の保存で知っておきたいこと
2024年11月に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、従業員を雇っている、または役員が2人以上いる法人などの事業者(特定業務委託事業者)がフリーランスに仕事を頼む場合、報酬の支払期日は、成果物を受け取った日(役務なら提供を受けた日)から数えて60日以内のできる限り短い期間で定め、その期日までに支払うこととされています。ほかの事業者から受けた仕事を再委託する場合で、再委託であることなどを取引条件とあわせて示したときには、例外もあります。また、仕事を頼む事業者は、支払期日などの取引条件を書面やメールなどで示すこととされています。
受け取った取引条件に書かれた支払期日は、請求の表にそのまま写しておくと、確認の基準になります。ただし、この法律が当てはまるかどうかは、発注者や仕事の内容によって変わります。くわしくは公正取引委員会や中小企業庁、厚生労働省の案内で確認してください。
請求書の控えも大切な記録です。国税庁の案内では、所得税の上では、請求書の控えや受け取った請求書は原則5年、帳簿などは7年の保存が必要とされています。消費税の課税事業者が仕入税額控除のために保存する請求書等や、インボイス(適格請求書)発行事業者が交付した適格請求書の写しは7年です。メールなどでやり取りした請求書のデータは、電子データのまま、決められた要件に沿って保存することとされています。自分がどれに当たるかは、国税庁の案内を確認するか、税理士に相談してください。
よくある質問
支払期日を過ぎても入金がないときは、どうすればよいですか?
まず、請求書が届いているか、金額や振込先に誤りがないかを確かめます。そのうえで、責める言い方を避け、「行き違いでしたら申し訳ありません」と添えて入金の状況を問い合わせます。やり取りは、あとで見返せるようメールなどで残します。困ったときは、厚生労働省の委託事業として第二東京弁護士会が運営する相談窓口「フリーランス・トラブル110番」で、弁護士に無料で相談することもできます。
請求書はいつ出すのがよいですか?
取引条件や契約で決めたタイミングに合わせます。決まっていない場合は、納品のたびに出すか、月末にまとめて出すかを自分で決め、お客様にも伝えておくと出し忘れを防げます。
毎月続く仕事の請求は、どう管理すればよいですか?
毎月の請求を1行ずつ作るのが分かりやすい方法です。契約の更新時期も含めた管理は、「顧問契約・保守契約の更新管理」で解説しています。
まとめ
フリーランスの請求書と入金の管理は、「1請求=1行」の表に、未請求・請求済・入金済の3つの状態を持たせることから始まります。月末に未請求をなくし、月初に支払期日を過ぎた請求がないかを確かめる。この2つの確認日を決めておくだけで、出し忘れや確認漏れは減らせます。支払期日や書類の保存といった制度の扱いは、公的機関の案内や税理士などの専門家に確認しながら進めてください。