フリーランスの案件管理の方法|問い合わせから入金まで記録する項目とステータス
フリーランスの案件管理は、「問い合わせから入金まで」を1件1行で記録し、今どの段階かをステータスで表すのが基本です。Excelやスプレッドシートでも十分に始められます。この記事では、記録する項目、ステータスの決め方、表を続けるコツをまとめます。
フリーランスの案件管理で起きやすい取りこぼし
フリーランスは、営業も作業も経理も一人で担います。案件が2つ3つのうちは頭で覚えていられます。ところが、並行する仕事が増えると、次のような取りこぼしが起きやすくなります。
- 見積を送ったまま、返事の確認を忘れる
- 納品したのに、請求書を出していない
- 入金の予定日を過ぎても気づかない
- 口頭で決めた条件が、あとで食い違う
どれも、仕事の腕とは関係のないところで起きる損です。案件管理は、こうした「抜け」を防ぐための記録です。
案件の流れを6つの段階に分ける
まず、1つの仕事が始まってから終わるまでを段階に分けます。業種によって細かい違いはありますが、多くの仕事は次の流れで進みます。
- 問い合わせ:相談や依頼の連絡が来た
- 見積:仕事の内容と金額を伝えた
- 受注:発注が決まり、条件がそろった
- 納品:成果物を渡した、または作業を終えた
- 請求:請求書を送った
- 入金:報酬が振り込まれたことを確かめた
大切なのは、「納品」で終わりにしないことです。案件は、入金を確かめたときに初めて完了します。請求と入金の確認の仕方は「フリーランスの請求書と入金の管理」でくわしく解説しています。
案件ごとに記録しておきたい項目
記録は「1案件=1行」が基本です。最初は次の項目があれば足ります。
- 案件名とお客様:誰の、どんな仕事か
- 問い合わせの経路:紹介、以前のお客様、自分のサイトなど、どこから来た仕事か
- 金額:見積の金額と、決まった金額。税込・税別のどちらで書くかをそろえます
- 納期:お客様と約束した日
- 請求日と入金予定日:いつ請求し、いつ入る予定か
- ステータス:今どの段階か
- メモと保存場所:やり取りのメールや条件の書面がどこにあるか
受注のときの条件は、口頭だけでなく、メールや書面で残しておくと安心です。2024年11月に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」)では、フリーランスに仕事を頼む事業者は、頼んだら直ちに、仕事の内容や報酬の額、支払期日などの取引条件を、書面やメールなどで示すこととされています。受け取った条件は、案件の行からすぐに探せるようにしておきましょう。なお、この法律の対象は従業員を雇っていないフリーランスで、個人のお客様(消費者)からの仕事は含まれません。法律が当てはまるかどうかなど、くわしくは公正取引委員会などの公的機関の案内で確認してください。
案件のステータスの決め方
ステータスは、さきほどの6つの段階をそのまま使うのが分かりやすい方法です。そのうえで、次の2つを足しておくと、表が実際の動きに合いやすくなります。
- 保留:お客様の返事待ちなど、こちらからは進められない状態
- 見送り:見積を出したが、受注に至らなかった状態
ステータスを決めるときのコツは、「何をしたら次に進むか」をはっきりさせることです。たとえば「請求」は請求書を送った時点、「入金」は口座で振り込みを確かめた時点、と決めておきます。あいまいなまま使うと、「たぶん請求したはず」という状態が生まれます。
見送りになった案件も、消さずに残しておきます。どの経路から来た相談が受注につながりやすいかを、あとから振り返る材料になるからです。
Excel・スプレッドシートで始める場合と、続けるコツ
案件管理は、Excelやスプレッドシートで十分に始められます。列に上の項目を並べ、1行に1案件を書くだけです。ステータスの列は、選択肢から選ぶ形にしておくと、書き方がばらつきません。入金予定日の列で並べ替えられるよう、日付は同じ書き方で入れておきます。
表を続けるためのコツは、次のとおりです。
- 問い合わせが来たら、その日に1行足す:受注してから書こうとすると、書き忘れます。
- 週に一度、ステータスを見直す:止まっている案件や、次の一手が必要な案件を探します。
- 月末に「請求」と「入金」の列を確かめる:お金にかかわる抜けを、月ごとにつぶします。
- 項目を増やしすぎない:書くのが面倒になると、表は続きません。
案件が増えてくると、次に困るのは納期の重なりです。考え方は「フリーランスの納期管理」でまとめています。
よくある質問
案件が少ないうちから、管理は必要ですか?
案件が少ないうちに始めるほうが楽です。件数が増えてから過去の分をさかのぼって書くのは大変です。最初の数件から1行ずつ残しておくと、自然に習慣になります。
見積を出しただけの相談も記録しますか?
記録しておくのがおすすめです。返事の確認を忘れにくくなるうえ、見送りになった理由や、相談が来た経路をあとから振り返れます。
手帳やメモ帳ではだめですか?
だめではありませんが、案件を一覧で見比べにくいのが難点です。ステータスや入金予定日を並べて見られる表の形にしておくと、抜けに気づきやすくなります。
まとめ
フリーランスの案件管理は、問い合わせから入金までを6つの段階に分け、1案件1行で記録することから始まります。ステータスは「何をしたら次に進むか」で決め、週に一度と月末に見直します。それだけで、返事の確認漏れや請求の出し忘れは減らせます。まずは今進んでいる案件から、表に書き出してみてください。