お客様紹介制度の作り方|紹介の対象・お礼・告知・記録の決め方と注意点
お客様紹介制度は、「誰に、どんな人を紹介してほしいか」「紹介へのお礼をどうするか」「どう知らせ、どう記録するか」を決めると形になります。この記事では、紹介制度の作り方を順に整理し、お礼や謝礼の扱いで気をつけたい点もまとめます。
お客様紹介制度とは:作る前に決める目的
お客様紹介制度とは、いまのお客様に新しいお客様を紹介してもらうための決まりごとを、会社として形にしたものです。紹介のお願いを担当者まかせにせず、誰にどう頼み、紹介を受けたらどうするかをそろえておく仕組みといえます。
紹介制度の作り方で最初に考えたいのは、目的です。
- 新しいお客様との出会いを増やしたい
- すでに紹介をくれているお客様に、きちんとお礼を伝えたい
- 紹介のお願いや対応を、担当者によってばらつかせたくない
目的によって、力を入れるところが変わります。たとえば「お礼をきちんと伝えたい」が中心なら、お礼の内容と報告の流れをていねいに決めることになります。
紹介をお願いする対象と、紹介してほしいお客様像
まず、誰に紹介をお願いするかを決めます。すべてのお客様に同じように案内する方法もあれば、取引が続いていて満足してもらえているお客様に絞る方法もあります。
あわせて、どんなお客様を紹介してほしいかも決めておきます。対象が広すぎると、紹介を受けてもお手伝いできない相談が増え、紹介者にも紹介先にも気まずい思いをさせてしまいます。業種・状況・困りごとで、紹介してほしい相手を具体的にしておきましょう。言葉にする手順は「紹介してほしい人の伝え方」で解説しています。
紹介のお礼・謝礼の決め方と、確認しておきたいルール
紹介へのお礼には、たとえば次のような形があります。
- お礼の言葉と、紹介後の経過・結果の報告
- お礼の品
- サービスの割引や特典
- 紹介を返す(紹介者に合うお客様をつなぐ)
お礼の内容を決めるときは、次の点に注意が必要です。
- 業種によってルールがある場合がある:士業など、紹介料の受け渡しに決まりがある業種もあります。お金や品物でお礼をする制度を作る前に、所属団体の規程を確認し、必要に応じて専門家に相談してください。
- 品物や特典の内容を確かめる:お客様に限って、紹介のお礼に品物や特典を渡す場合は、景品に関するルールで金額の上限などが決まっていることがあります。内容を決める前に消費者庁の案内を確認するか、専門家に相談してください。
- お礼の扱いを事前に確かめる:お礼の金額や内容によっては、会計や税務の面で考えることが出てくる場合もあります。顧問の税理士など、専門家に確認しておくと安心です。
- お礼が目的にならないようにする:お礼が大きすぎると、紹介された側が「お礼目当てで紹介されたのでは」と感じることがあります。紹介制度があることは公開しておき、紹介先にも隠さない形にしておくと安心です。
お金や品物のお礼を設けない場合でも、ていねいなお礼と報告を続けることは、紹介者にとって大きな安心材料になります。
紹介制度の告知の方法と、案内に書くこと
紹介制度は、知ってもらえなければ使われません。お客様との接点に合わせて、無理のない方法で知らせます。
- 直接伝える:納品のときや定期的な面談のときなど、お客様が満足を感じている場面で伝えます。
- 紙やメールで案内する:納品書に案内を添える、定期的なお知らせのメールに一文入れる、など。
- ホームページに載せる:制度の内容と紹介の方法を載せておくと、紹介を考えたお客様が自分で確認できます。
案内には、紹介してほしいお客様像、紹介の方法(連絡先を教えてもらう、名前を伝えてもらうだけ、など)、お礼の内容を書いておきます。紹介先の連絡先は、紹介先本人の了承を得てから受け取る流れにしておくと、個人情報の面でも安心です。口頭での頼み方は「紹介のお願いの仕方」も参考にしてください。
紹介の記録と、制度の運用・見直し
紹介制度を続けるには、紹介ごとの記録が欠かせません。最低限、次の項目を残しておきます。
- 紹介者と紹介先、紹介を受けた日
- 紹介先への連絡・面談・結果の状態
- 紹介者へのお礼と報告をした日
- お礼の品や特典を渡した場合は、その内容と日付
記録があると、お礼の渡し忘れや二重の対応を防げます。また、半年や1年など決まった間隔で記録を見直すと、どのお客様から紹介が多いか、どの案内の方法が使われているかが分かり、制度の見直しにつながります。担当者が複数いる場合は、記録を1か所にまとめ、担当者なら誰が見ても状況が分かるようにしておきます。記録した紹介先の情報は紹介の対応のためだけに使い、見られる人の範囲も決めておきましょう。
あわせて、紹介を受けたときの社内の動き方も決めておきます。誰が紹介先に連絡するか、紹介者へのお礼と報告を誰が行うか、お礼の品や特典を誰が手配するか。ここまで決めておくと、担当者が忙しいときや不在のときでも、紹介者を待たせずにすみます。
よくある質問
紹介へのお礼は、お金で渡してもよいですか?
会社の業種や所属団体の決まり、お礼の金額や渡し方によって考えることが変わります。士業など紹介料の受け渡しに決まりがある業種もあり、会計や税務の扱い、紹介者の勤務先の決まりが関わることもあります。制度を作る前に所属団体の規程を確認し、判断に迷う場合は専門家に相談してください。
紹介された方が契約しなかった場合も、お礼をしますか?
どちらにするかは会社の方針で決めてかまいません。大切なのは、制度の案内にあらかじめ書いておき、紹介者に分かるようにしておくことです。契約に至らなくても、お礼の言葉と報告は欠かさないようにします。
まとめ
お客様紹介制度は、目的を決めたうえで、紹介をお願いする対象と紹介してほしいお客様像、お礼の内容、告知の方法、記録のしかたを順に決めると形になります。お礼や謝礼には、業種や品物・特典の内容によってルールがある場合があるため、所属団体の規程や消費者庁の案内、専門家に確認してから決めましょう。制度を作ったあとも、記録を見ながら少しずつ見直していくことが大切です。